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縁起の良い日取り

◆日本の暦の上で最上の吉日、天赦日(てんしゃにち)
『天赦日』は歴注のひとつで、陰陽五行説と十干十二支が由来とされています。
歴注には、季節に関する事項や農作業に役立つ情報や日時の吉凶・禁忌などが記されていました。そのなかでも天赦日は、百神が天に昇り、万物の罪を赦す日とされる最上の大吉日です。月切り(暦月)では、一年に5~6回あり、節切り(節月)では、春の最初の戊寅 (つちのえとら) 、夏の最初の甲午 (きのえうま) 、秋の最初の戊申 (つちのえさる) 、冬の最初の甲子 (きのえね) の一年に4回です。
天赦日は、何をするにも良い日とされており、この日始めることは何をやってもうまくいく、という意味があります。財布の新調だけでなく、婚礼・開業・引っ越しなどに向いており、その日に始めた事は何事もうまく行くと言われています。

※月切りは、新月から満月を経て再び新月に戻るまでの朔望月を1ヵ月とする撰日法で、節切りは、立春から始まり立夏の前日までを春という二十四節気に基づいた季節の区切り方をする撰日法です。

 
以外と身近な陰陽五行

私たちの生活の中には、知らず知らずに五行を取り入れたことが多く存在しています。
身近なものに、火・水・木・金・土(五行)日・月(陰陽)の1週間があります。そして日本には、五節句(一月七日「七草の節句」、三月三日「桃の節句」、五月五日「端午の節句」、七月七日「七夕の節句」、九月九日「菊の節句」)があり、これも五行に由来します。
その他にも「土用の丑の日にうなぎを食べる」といったことも五行からきています。
土用とは、元は土旺用事(どおうようじ)といい、土の気が盛んになりその影響を受ける時期なので体調が崩れやすいと言われています。特に夏の土用の間の夏バテ防止として、スタミナのある「うなぎ、馬肉、牛肉」、胃に優しい「梅干・うどん・瓜」を食べる習慣がありました。
また、薬膳やマクロビなど、食べ物の取り合わせや食べて美味しいだけじゃなく体の中で良い働きをする食材の選び方、調理方法などの判断をする上で外せないのが、実は陰陽五行からきています。
日本の国技である相撲の吊り屋根の四隅にも、東に青(緑)、南に赤、西に白、北に黒の房が使用されていて、中央の土俵が黄色を表しています。

さらに陰陽五行の宇宙観では、『天は円く、地は方形(天円地方)』と考えますので、丸い土俵が “陽”、それを囲む角俵が “陰” となります。また、軍配には、太陽 “陽” と 月 “陰” が描かれていますし、勝敗は、白星 “陽” と 黒星 “陰” で表します。
その他にも、七五三や還暦の由来、茶室の4畳半、鯉のぼりの吹き流し(五色)、太巻きの具材(五色)、青春の文字(人生の春は青い)など、いろんな場面で存在しています。