今話題の「フェムケア」、皆さんはご存知ですか?
フェムケアとは、女性を意味する「feminine(フェミニン)」とお手入れを意味する「care(ケア)」を組み合わせた造語で、主に女性のデリケートゾーンのケアを指します。
デリケートゾーンは皮膚と粘膜の中間にあたる部分で、全身の中でも特に皮膚が薄く繊細です。角質層が非常に薄いため、摩擦や刺激にとても弱い構造をしています。
生理用ナプキンやショーツによる蒸れや擦れ、尿やおりものなどの刺激など、多くの女性がデリケートゾーンに何らかの悩みを抱えています。また、ライフステージに応じて悩みは変化していき、年齢とともに戸惑いを感じる女性も少なくありません。
現代社会で活躍する女性にとって、毎月の月経痛、妊娠・出産、さらには更年期の症状といった女性特有の健康障害は、日々の生活や仕事の生産性に大きな影響を及ぼします。
フェムケアは、働く女性の健康と心身の不調をサポート、働きやすい環境づくりや生活の質(QOL)の向上に大きな役割を果たします。
◆年代別デリケートゾーンの悩み
デリケートゾーンの悩みは、女性ホルモンの変化に大きく影響されます。
女性ホルモンの分泌が多くホルモンバランスが崩れやすい20代~30代と、徐々に女性ホルモンが減少していくのが40代以降では、それぞれ異なる悩みが見られます。
20代~30代の主な悩み
・ニオイが気になる
・黒ずみが目立つ
・かゆみを感じる
・産後の膣のゆるみや尿もれ
・擦れによる痛みを感じることがある
40代~60代以降の主な悩み
・乾燥や擦れによる痛み
・尿漏れ
・持続的なかゆみ
◆トラブルの原因を知り、適切なケアを
デリケートゾーンのトラブルを解決するには、まずその原因を知ることが大切です。原因をきちんと理解することで、自分に合ったケア方法を見つけやすくなります。
以下の図を参考にして、悩みの原因をチェックしてみてくださいね!
においやムレに関する悩みの場合の解決策は、「丁寧に洗うこと」!
だ「洗う」と言っても、入浴時に使う一般的なボディーソープや石鹸ではなく、専用のアイテムでケアすることが大切です。なぜなら、一般のボディーソープや石鹸は、身体の汚れや皮脂を落とすことを目的としているため、洗浄力が高く、デリケートゾーンには刺激が強すぎることがあります。
また、これらを使用すると皮膚のpHバランスが崩れ、自浄作用が低下してしまいます。その結果、かゆみや匂いを引き起こしトラブルの原因になることも。専用のデリケートゾーン用ソープを使って、優しくケアすることがトラブル予防の第一歩です。
かゆみ・黒ずみ・乾燥が原因の場合の解決策は、「保湿」!
「顔用のスキンケア製品でもいいのでは?」と思われるかもしれませんが、デリケートゾーンはとても敏感で刺激を感じやすい部分なので、デリケートゾーン専用の保湿アイテムを使うことをおすすめします。
顔にはスキンケア、髪にはヘアケアがあるように、デリケートゾーンには「フェムケア」があります。それぞれの部分に合った専用アイテムを使って、毎日しっかりお手入れをしていきましょう。
尿漏れが気になる場合の解決策は「骨盤底筋を鍛えること」!
尿漏れにはいくつか種類がありますが、代表的なものに「腹圧性尿失禁」と「切迫性尿失禁」があります。
- 腹圧性尿失禁・・・・
咳やくしゃみ、笑ったとき、重い荷物を持ち上げたとき、または走ったときにお腹に力が入って尿が漏れるタイプです。これは出産や加齢による骨盤底筋の筋力低下が原因です。
- 切迫性尿失禁・・・・
急に強い尿意を感じ、トイレに間に合わず漏れてしまうタイプです。尿の回数が増えたり、特に力を入れていなくても漏れることがあります。
これらの症状(または両方が混ざった「混合性尿失禁」)がある場合、恥ずかしがらず、また年齢のせいと諦めずに、泌尿器科専門医に相談しましょう。
骨盤底筋を鍛えるトレーニングも症状改善のサポートになります。
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