初詣に行くと、境内で甘酒を振る舞うお寺や神社があります。そのため甘酒は冬の飲み物と思われていますが、江戸時代には夏の風物詩として夏バテ予防や体力回復として親しまれてきました。
最近では美容や健康に良いということで、季節を問わず飲む人が増えて来ています。
甘酒が身体に良いことはなんとなく知っているけれど、実際にはどのような効果があるのか?どんな時に飲んだらいいのか?よく解っていない方もいらっしゃるようです。その辺の理解を深めることで甘酒を上手く活用していただけたらと思います。
甘酒は日本独自の伝統的な飲み物で、糀で作られた発酵食品です。一口に甘酒といっても原材料によって2種類に分けられます。
① 米麹甘酒
蒸した米に米麹を加えて作られるのが米麹甘酒です。ブドウ糖成分が多く含まれることから砂糖を加えなくてもほんのりと自然な甘味があります。近年では「飲む点滴」と呼ばれて、その健康効果が注目されています。アルコール分は含まれていないのでお子様でも妊婦の方でも飲むことができます。
※点滴はブドウ糖が主成分です。
② 酒粕甘酒
お酒を造る過程でもろみを搾った際に残った酒粕(絞りカス)を水で溶かし、砂糖を足して作られるのが酒粕甘酒です。酒粕には糖質があまり含まれないため甘味として砂糖が加えられます。酒粕を使用しているので少量ですがアルコール分が含まれています。米麹で作った甘酒との大きな違いは、砂糖が添加されていることアルコール分が1%弱程度含まれることです。
米麹で作られた甘酒にも酒粕で作られた甘酒にも、どちらもビタミン・ミネラルが豊富で栄養価は高く、どちらも美容や健康によい飲み物です。
疲労回復、美肌、ダイエット、冷え性改善、体内の酸化防止、整腸作用と腸内フローラの改善などが期待できますので、こんな人におすすめです。
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- ● 免疫力を高めて、風邪を予防したい
- ● 栄養不足を改善したい
- ● 疲れを感じやすい
- ● 腸内環境をよくしたい
- ● 美肌になりたい
- ● ダイエットしたい
- ● アンチエイジングしたい
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この2種類の甘酒は、一概に「こちらの甘酒のほうがより良いです!」という事はできません。どちらにもそれぞれの良さがありますが、酒粕甘酒にはアルコール分や糖分が含まれているため、お子様や妊娠中・乳中の方、車を運転する方は避けてください。
飲みやすさという点からみると、自然な甘さとバリエーション豊かな米麹甘酒がおすすめです。小さいお子様からお年寄りまで、また、アルコールが苦手な方でも安心して飲むことができます。
◆効果的な飲み方は?
健康や美容効果のある甘酒ですが、身体に良い飲み物だからといって飲めば飲むほど健康になる訳ではありません。飲み方や飲む時間を意識するだけでより効果を実感できます。
《朝》
甘酒に含まれるブドウ糖によって脳が活性化して目覚めがスッキリ。一日を朝から元気に過ごせます。代謝も活性化するので、ダイエット目的の方は朝がおすすめ。ただし、ダイエット中の方は、添加甘味量が少な目のものを選びましょう。
《昼》
ブドウ糖とビタミンB1により脳が活性化されますので、集中力と活力アップに繋がります。午後からの仕事や勉強のパフォーマンス力アップには、お昼に甘酒を飲むのがベスト!
《夜》
夜寝る前の甘酒は、安眠効果に期待ができます。疲労回復しやすくなるので、翌日の目覚めも良くなりますので、疲れを取りたい、ストレスを緩和したい、寝つきが悪いというようなときは、夜に甘酒を飲むのが最適です。
身体に良いとは言っても、飲みすぎはカロリーオーバーに繋がります。目安としては1日200mL(カップ1杯)ほどです。
温めて飲むときには、人肌くらいの温度になるように気を付けてください。温度が高くなり過ぎると酵素が破壊されてしまうので、折角の甘酒パワーが発揮されません。温めるときは60℃以下を目安に、温めすぎに注意しましょう。 |