関節の痛みが続く場合、それは変形性膝関節症が原因である可能性があります。
変形性膝関節症は、関節軟骨が摩耗し、関節が変形することで引き起こされる関節炎の一種です。に以下のような症状が見られます。

痛み: 膝の関節痛が特徴的で、特に運動やがかかった際に痛みが増します。進行すると安静時でも痛みを感じるようになることがあります。

運動制限: 膝の可動域が狭まり、階段の昇り降りが困難になったり、長時間の歩行が辛くなることがあります。

腫れ: 膝が腫れることがあり、活動後や天候の変化によって腫れが悪化することがあります。

変形: 膝関節が変形し、X線やMRIなどの画像診断で確認されます。進行すると日常生活にも支障をきたす可能性があります。

関節の痛みが長引く場合は、早めに医療機関で診断を受け、適切な治療を始めることが大切です。

ロコモティブシンドローム （ロコモ）は「運動器症候群」とも呼ばれ、2007年に日本整形外科学会が提唱した概念です。筋肉、骨、関節、軟骨、椎間板などの運動器に障害が生じ、立ったり歩いたりといった基本的な動作が困難になる状態を指します。 入院して治療が必要となる運動器障害は、50歳以降に多発しているのが現状です。中でも、関節の痛みを訴える方が多くいます。

関節の痛みの原因はさまざまです。スポーツなどで靭帯や半月板の損傷、関節リウマチ、感染性関節炎、痛風発作、インフルエンザなどの病気が挙げられますが、日本人に最も多いのは「変形性関節症」です。

変形性関節症は、骨と骨の間でクッションの役割を果たす軟骨がすり減ることで痛みが発生する疾患です。発生率は年齢とともに増加し、50歳以上では女性の約75％、男性の約54％が患っていると推定され、日本人全体で約3,000万人が影響を受けています。変形性関節症に最もなりやすい部位が膝です。

1. 膝の酷使
   膝の腱や筋が張り、歩き始めに痛みを感じるようになります。

2. 関節軟骨の変性と炎症
   膝への負荷が続くと、関節軟骨や半月板が変性し、炎症が起こり、腫れて熱を持ったり、水がたまる症状が現れます。

3. 関節包の硬化
   慢性的な炎症が関節包を硬化させ、膝の曲げ伸ばしが難しくなります。

4. 関節軟骨の消耗
   軟骨がすり減り、骨同士が直接ぶつかることで痛みが増します。

特に、肥満によって膝に負荷をかけている人や、激しいスポーツで膝を酷使している人は、発症リスクが高まります。また、加齢により関節軟骨の柔軟性が失われることも要因の一つです。

一度痛みが発生すると、その痛みをかばうために姿勢が崩れ、他の部位に負担がかかります。その結果、痛みが広がり、運動を避けることで筋力が低下し、さらに痛みが悪化する「痛みの悪循環」に陥ることがあります。

筋力を高めることが、痛みの悪循環を断ち切る鍵です。運動習慣を身につけ、筋肉を鍛えることで、中高年の生活の質を向上させることができます。
さらに、適切な食事と運動で筋肉を維持することが、健康的で若々しい生活を送る秘訣となります。