毎日使う食材や調味料。単に空腹を満たすだけでなく、より健康的に美しく、そしてなにより美味しく楽しむために、どれを選択したら良いのか?という知識を持つことが大切です。
普段何気なく使っているお酢に、こんなにパワーがあるのをご存じですか?
お酢は美容・健康に良いといわれ、最近では「飲むお酢」が注目されています。
実際どういった効果があるかというと、次のようなものがあげられます。
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- ● 疲労回復を助ける
- ● 消化を助ける
- ● 生活習慣病の予防に役立つ
- ● カルシウムの吸収をよくする
- ● 内臓脂肪を減らす
- ● 便秘を解消する
- ● 髪の毛や爪を健康に保つ
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これらの効果を考えると、お酢は積極的に取り入れたい調味料のひとつです。
皆さんはどんなお酢をお使いですか?
スーパーに行けば色々な種類のお酢が並んでいます。数百円のものから千円近いものまでと値段はピンキリです。なぜ、そんなに値段が違うのか? それはズバリ、製法と原料の価格の差です。
米酢や果実酢、バルサミコ酢など原料が違うと味や風味に違いがでるのは当然ですが、同じ原料でも製法が異なることでも味や風味は全く異なります。これは発酵方法の違いによるもので、樽や壺を用いる日本古来の伝統的な「静置発酵法」と、ステンレス製の大型タンクを用いる戦後、西洋から導入された「速醸法 (全面発酵)」があります。
静置発酵は、機械的な撹拌をせず原料から造った酒の表面に酢酸菌膜を張らせる方法で、完成するまでに最低でも3~4カ月かかりますが、長いく発酵・熟成することで味にコクがでて、まろやかで深みのある芳醇なお酢に仕上がります。
一方、速醸法 (全面発酵) で作られたお酢は、機械で人工的に空気を送り込み1日で発酵させる方法ですので、短時間で安く製造することができます。静置発酵で作られたお酢に比べて酸味がやや強い、あっさりと淡泊な味に仕上がります。
また、ラベルの裏書を見ると原料に「アルコール」と書かれているものがしばしばありますが、これも安価なお酢の正体です。
例えば、日本の代表的な米酢を造る際に必要なのは米と水のみですが、水と米のみでお酢を造ろうとすると「酒を造る」という工程を踏むため、米の使用量が多くなりコストがかかってしまいます。そのコスト出来るだけかけないようにようにするためにアルコールが使われているのです。
米酢の定義は、「酢1L当たり米の使用量は40g以上」となっています。
米のみで1Lのお酢を作ろうとすると、約120gの米が必要になります。そのため最低の40gでお酢を造るのに添加されるのがアルコールなのです。アルコールを添加すると米から酒を造るという工程が省けるため、米の使用量が少なくて安価で大量生産が可能になるのです。
アルコールなどを添加して作ったお酢は、美味しさに欠けるので飲むお酢としては向いていません。飲むお酢には、ラベルの原材料表示にアルコールの記載がない、アルコール無添加のものをおすすめ致します。毎日摂りたいお酢のパワー、お気に入りを見つけて上手に取り入れてくださいね。
《醸造酢の種類》
日頃私たちが利用するお酢は醸造酢に分類されるもので、穀物酢、果実酢、醸造酢と3種類に分けられます。その中でも身近なお酢をピックアップして適した活用方法などをご紹介致します。
◆米酢
穀物酢の一種で、米のみを原料とする醸造酢。クエン酸が豊富に入っており、他のお酢と比べると高い疲労回復効果があります。米特有の甘み・コクがあり、角のないまろやかな酸味が特徴です。全般的に和食との相性が良く、酢飯や酢の物など幅広く利用できます。
◆穀物酢
米、小麦、大麦、麦芽、とうもろこし、豆、サツマイモなどを原料に用いた醸造酢。香りが比較的穏やかでシャープな酸味があり、すっきりとした味わいなので、煮物などの加熱料理に適しています。
◆黒酢
穀物酢の一種で、玄米や精米度の低い米、大麦を原料としたもの。長期間熟成すればするほど、濃い琥珀色に変化します。
アミノ酸が豊富でそのまま入っているため、消化しなくても直接エネルギーとなり疲労回復効果がかなり期待できます。まろやかで風味豊かなので、中華・魚介料理との相性が良いです。飲む酢としても親しまれています。
◆赤酢(粕酢)
穀物酢の一種で、酒粕から作られる日本発祥のお酢。昔ながらの伝統製法でじっくりと発酵・熟成させるため完成に3~4年もの歳月と手間暇がかかるため、今では高級酢として扱われています。アミノ酸が豊富に含まれ旨味成分も多く、酸味がまろやかで香りがよく、上品な味わいです。酢飯、酢の物や和え物、炒め物や煮物など、やわらかな印象に仕上がります。
◆りんご酢
果実酢の一種で、リンゴを原料としたもの。他のお酢に比べてカリウムが豊富です。カリウムは身体の中の余分な塩分を排出する効果があるため、むくみ・高血圧などに効果的です。爽やかな香りとやわらかな酸味が特徴で、ドレッシングやマリネといった使い方のほか、デザートとの相性が良く、飲み物にも活用できます。
◆ワインビネガー
果実酢の一種で、ブドウを原料としたもの。ワインビネガーには、白ぶどう品種を使った白ワインビネガーと、赤ぶどう品種を使った赤ワインビネガーがあります。
白ワインビネガーは果汁のみで造られるため、フルーティーですっきりとした酸味なので、ドレッシングやマリネと相性抜群です。赤ワインビネガーは果皮なども使われているため多少の渋みがありますが、芳醇な香りとコクのあるまろやかな味わいで、煮込み料理や煮詰めたソースなどに適します。ポリフェノールを豊富に含んでいるので抗酸化作用があり、美肌・老化防止の効果があります。
◆バルサミコ酢
北イタリアのモデナ地方に伝わる伝統的な果実酢です。
ブドウ果汁を原料とし、木の樽で長期間発酵・熟成されます。
熟成の過程で桜、樫、粟など別の樽へ詰め替えて木の香りを載せながら作られるので、その名の通り “芳香性のある酢” となります。芳醇な香りと濃厚でまろやかな甘みがあり深みのある味わいですので、ドレッシングなど味のアクセントに手軽に活用できます。また、加熱して酸味を飛ばすことで「深み・甘み」が増すので、お肉を焼いた後にバルサミコ酢・塩・胡椒・バターなどを加えて煮詰めるだけで本格的なソースに仕上がります。
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