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抗酸化作用のある食べ物

私たちの身体には、もともとアスコルビン酸や尿酸などの抗酸化物質が存在し、体内の活性酸素が過剰にならないようにする抗酸化防御機構が備わっています。
しかし、抗酸化作用は20代をピークに働きが低下してしまいます。そのため、抗酸化作用をもつ栄養素を日々の食事の中に上手に取り入れてくことが、美肌のみならず健康を維持するのためにとても大切です。
40歳頃からは積極的に抗酸化物質を補給しましょう。


◆抗酸化効果のある栄養素


 
抗酸化物質 抗酸化作用のある食べ物
β-カロチン
(ビタミンA)
にんじん、かぼちゃ、トマト、ピーマン、シソ、ニラなど緑黄色野菜
β-カロチンは、体内で必要に応じてビタミンAに変換されます。体内のビタミンA量が多い場合には、β-カロチンの変換量が減少して調整されるのでビタミンAの過剰摂取の心配はありません。
ビタミンC
いちご、キウイフルーツなどの果物、レモンなど柑橘類、小松菜、カリフラワー、ピーマン、パセリなど野菜類
ビタミンCは熱に弱く、水に溶けやすいため、生で食べられるものは加熱せずに食べるのがよいでしょう。加熱の際は、摂取量を増やしたり、溶けだしたビタミンCを丸ごと摂取できるようスープなどがおすすめ。
ビタミンE
アーモンド、ピーナッツ、ごま、大豆などの種実類、アボカド、カボチャなど野菜類、カツオ、マグロなど魚類、植物油
抗酸化力のあるビタミンA・Cと一緒に摂取することで相乗効果がありますので、マカデミアナッツ油、グレープシード油などで緑黄色野菜を炒めて食べると、同時に他のビタミンも摂れて効果的です。
リコピン
トマト、スイカ、ピンクグレープフルーツ、アンズ、グアバなどに含まれる赤色の天然色素
リコピンは、β-カロテン(にんじん、かぼちゃ)やアスタキサンチン(サケ、カニ)と同じカロテノイド色素の一種です。ビタミンEの100倍以上といわれるほど強い抗酸化作用があると注目されています。
ルテイン
小松菜、ホウレンソウ、ブロッコリー、グリンピース、ケールなど緑の葉野菜に多く含まれる黄色の天然色素
ルテインは、眼球内の黄斑部や水晶体、皮膚になどに多く存在するカロテノイドの一種です。目が受ける紫外線など、青色光を吸収することで光によるストレスを軽減する働きを持っています。
アスタキサンチン
オキアミ、エビ、カニ、鯛、鮭などに含まれる赤色の天然色素
アスタキサンチンは、エビやカニの殻やサケの身や卵の赤い色素であり、トマトや人参に含まれるリコピン、β-カロチンと同じカロテノイドの一種です。
カテキン
緑茶、紅茶、ウーロン茶、ほうじ茶などに含まれる昔からタンニンと呼ばれていた渋味や苦味の元となる成分
カテキンは、主に緑茶に多く含まれているポリフェノールの一種です。抗酸化作用はもちろん、ガレート型カテキンにはコレステロールを低下させる働きがあります。その外にも抗ウィルス、虫歯・口臭予防、肥満予防などに役立ちます。
ポリフェノール
赤ワイン・ブルーベリー・なす・カシス・ブドウ (アントシアニン)、大豆・納豆 (イソフラボン)、ターメリック (クルクミン)、米ぬか・玄米 (フェルラ酸)、玉ねぎ (ケルセチン)、カカオ (カカオポリフェノール)、柑橘類の皮やすじ (ヘスペリジン) など
ポリフェノールは植物由来の抗酸化物質で、ビタミンCやビタミンEと同様に強い抗酸化力があり、スーパーオキシドや一重項酸素などの有害物質を無毒化する作用があります。
 

活性酸素は、細菌などを排除する作用もあり、私たちの身体には必要なものです。しかし、活性酸素が過剰に発生してしまうと正常な細胞を傷つけ、酸化させてしまい、老化を早めてしまいます。
私たちの身体には、もともとアスコルビン酸や尿酸などの抗酸化物質が存在し、体内の活性酸素が過剰にならないようにする抗酸化防御機構が備わっています。しかし、抗酸化作用は20代をピークに働きが徐々に低下していき、40歳を過ぎたあたりで急激に低下するといわれています。これは、老化を加速するだけでなく、生活習慣病を引き起こす原因になると考えられています。

現代社会では、活性酸素を発生させる要因(ストレス・紫外線・食品添加物・大気汚染・電磁波など)がたくさんあります。そのため、抗酸化作用をもつ栄養素を日々の食事の中に上手に取り入れることが、美肌のみならず健康を維持するのためにとても大切です。

最近では、ファイトケミカルと呼ばれる成分が、身体を外部の刺激から守るために重要視されています。ファイトケミカルとは、植物が紫外線や害虫から身を守るために生成する色素や香り、辛味などの成分で、植物の光合成や生長を助ける重要な役割を果たしています。

ファイトケミカルには多様な種類があります。カロテノイド、フラボノイド、ポリフェノール、イソフラボン、リグナン、そしてテルペノイドなどが含まれており、抗酸化作用、抗炎症作用、免疫増強、細胞の修復や再生の促進など、健康に良い影響をもたらすと考えられています。植物由来であり、果物や野菜などの自然な食品に含まれています。これらの成分は、多くの研究で抗酸化作用や抗炎症作用などの健康効果が確認されており、積極的に摂取することが健康維持に役立つことが示されています。

ファイトケミカルを含む食品を積極的に摂取することは、健康維持や疾病予防に役立ちます。例えば、抗酸化作用があることから、ファイトケミカルは老化や慢性疾患のリスクを低減するのに役立つとされています。また、抗炎症作用があるため、炎症性疾患の予防や管理にも効果的です。そのため、ファイトケミカルを含む食品は、一般的に健康的な食生活の一部として推奨されています。

ファイトケミカルが豊富に含まれる食品には、以下のようなものがあります。


 
 

カロテノイド(β-カロテンなど)を含む食品 : にんじん、かぼちゃ、トマト、スイートポテトなどのオレンジや赤い色の野菜や果物

フラボノイドを含む食品 : シトラスフルーツ(オレンジ、レモンなど)、ベリー類(ブルーベリー、イチゴ、ラズベリーなど)、リンゴ、赤ワイン、紫玉葱、茶葉など

ポリフェノールを含む食品 : グリーンティー、ココア、赤ワイン、シナモン、オレガノ、オリーブオイル、ナッツ、ビーツ、ブルーベリーなど

イソフラボンを含む食品 : 大豆製品(豆腐、豆乳、枝豆)、エダマメ、レンズ豆などの大豆類

リグナンを含む食品 : 亜麻仁、チアシード、大豆、くるみ、ライ麦、オーツ麦などの穀物や種子

テルペノイドを含む食品 : ショウガ、ターメリック、ローズマリー、オレンジ、レモンなどの柑橘類、ホップ、ギンコビロバなど

 
 

これらの食品をバランスよく摂取することで、様々なファイトケミカルを効果的に摂取することができます。ファイトケミカルを摂取することで、以下のような健康上の利点が期待されています。

◎抗酸化作用: ファイトケミカルには、体内の活性酸素やフリーラジカルといった酸化ストレスを減少させる抗酸化物質が含まれています。これにより、細胞の酸化ダメージが軽減され、老化や慢性疾患のリスクが低減する可能性があります。

◎抗炎症作用: 多くのファイトケミカルには、炎症反応を抑制する効果があります。これにより、関節炎や心血管疾患などの炎症性疾患のリスクが低減される可能性があります。

◎免疫増強: ファイトケミカルは、免疫システムを強化する働きがあります。特定のファイトケミカルは、免疫細胞の活性化や増殖を促進し、病気や感染症に対する免疫力を向上させることができます。

◎心血管健康の向上: ポリフェノールやフラボノイドなどのファイトケミカルは、血管を拡張させる効果があり、血圧やコレステロールの調整に役立ちます。また、血液の循環を促進し、血栓形成や動脈硬化のリスクを軽減する可能性があります。

◎がん予防: ファイトケミカルは、がん細胞の成長や転移を防ぐ効果があるとされています。
抗酸化物質や抗炎症物質は、がん細胞の発生を抑制し、がんの予防や治療に有効であると考えられています。

その他にも、肝臓や消化管の解毒酵素の活性化などの効果もあり、体内から余分な物を排出するデトックス作用も期待できます。
個人の体質によって、これらの効果は異なることがあります。だからこそ、バランスの取れた食事や健康的な生活習慣との組み合わせが重要です。