今話題の「フェムケア」、皆さんご存知ですか？
フェムケアとは、女性を意味する「feminine（フェミニン）」とお手入れを意味する「care（ケア）」の２つの言葉から作られた造語で、主に女性のデリケートゾーンをケアすることを指しています。 デリケートゾーンは皮膚と粘膜の中間で、全身の中でも特に皮膚が薄く繊細な部分です。他の皮膚と構造が違い、角質層は薄く摩擦や刺激にとても弱いのです。

生理用ナプキンやショーツによる蒸れや擦れ、尿やおりものなどの刺激など、多くの女性がデリケートゾーンに何らかの悩みを抱えています。そして、ライフステージごとに抱える悩みも異なり、年齢とともに変化するデリケートゾーンに戸惑う方も多くいらっしゃいます。

女性が活躍する現代社会において、毎月の月経痛・妊娠・出産・更年期症状など女性特有の健康障害は、仕事の生産性に大きく影響するものです。
フェムケアは、働く女性の健康と心身の不調をサポートすることで、働きやすい社会や環境づくりを担う重要な役割を果たします。また、生活の質（QOL）を上げるといったことにもつながっています。

デリケートゾーンの悩みは、女性ホルモンにより大きく影響されます。
女性ホルモンの分泌が多くホルモンバランスが崩れやすいのが20代～30代、徐々に女性ホルモンが減少していくのが40〜60代です。年齢とともにデリケートゾーンの悩みも異なってきます。

20代～30代の悩み
・ニオイが気になる
・黒ずみが気になる
・かゆみが気になる
・産後に膣のゆるみや尿もれなどが気になる
・擦れて痛みを感じることがある

40代～60代以降の悩み
・乾燥や擦れによる痛みが気になる
・尿漏れが気になる
・かゆみが気になる

デリケートゾーンの悩みを解決するためには、まずはトラブルの原因が何かを知ることです。トラブルの原因別にデリケートゾーンのケアする方法が異なりますので、チェックしてみてくださいね。

においやムレに関する悩みの場合の解決策は、丁寧に洗うこと！
ただ一概に洗うと言っても、入浴時に全身を洗うボディーソープや石鹸はではなく、専用のアイテムでお手入れすることが大切です。なぜかというと、一般のボディーソープや石鹸は、身体の汚れや皮脂を取る事を目的としているので洗浄力が高く、デリケートゾーンを洗うのには刺激が強過ぎるんです。
また、皮膚のpH値が崩れ自浄作用が低下することにより、痒みや匂いを引き起こしトラブルの原因になることがあります。pHバランスを崩さないためにもデリケートゾーン専用のソープで洗うことが必須です。

かゆみ・黒ずみ・乾燥が原因の場合の解決策は、保湿をすること！
「顔用のスキンケア製品ではだめなのかしら？」と思われる方もいらしゃいますが、デリケートゾーンはとても敏感で刺激を感じやすい部分なので、デリケートゾーン専用の保湿アイテムを使用することをおすすめします。
毎日のお手入れには、顔にはスキンケア、髪にはヘアケアがあるように、デリケートゾーンにはフェムケアがあります。それぞれ専用のアイテムでケアをしていきましょう。

尿漏れに関する悩みの解決策は、骨盤底筋を鍛えるトレーニングをすること！
尿漏れにはいくつかの種類がありますが、その殆どが腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁です。腹圧性尿失禁は、咳やくしゃみをした時、重い荷物を持ち上げた時、笑ったり急に走ったりしてお腹に力が入った時に尿が漏れてしまいます。これは出産や加齢による骨盤底筋の筋力低下が原因によって引き起こされます。
切迫性尿失禁は、急に尿意を感じトイレに駆け込もうとしても間に合わない、尿の回数が増えたり、力をいれていないのにもれてしまいます。
尿漏れで腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁のいずれかの症状、または両方（混合性尿失禁）の自覚症状がある際は、恥ずかしがったり年齢的なことと諦めずに泌尿器科専門医に相談しましょう。